あなたはこの国、日本のために死ねますか?
この問いに「はい」と躊躇なく答えられる人はほとんどいません。
即答できるのは日本の特殊部隊、特殊作戦群や特別警備隊の人たちぐらいでしょう。
普段生活している中で、日本のことを考える時間ってないですよね。
幹部自衛官時代を思い返しても目の前のことで精一杯で忘れていた時期がありました。
自衛隊の存在意義は「服務の宣誓」に集約されています。
国のために死ねるか
死ぬ覚悟で任務を遂行できるのか。
自衛官なら任官(自衛官になること)する時、必ず「服務の宣誓」に署名して宣誓をします。
著名をしないと自衛官になれません。
漠然とした覚悟はありましたがリアルに「死」を実感することはできませんでした。
自衛隊員の服務の宣誓とは
自衛隊員の服務の宣誓
宣 誓
私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の 使命を自覚し、日本国憲法 及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。
出典:自衛隊法施行規則第39条
ちなみに、警察官や消防士の方々も服務の宣誓をします。違いを見てみましょう。
警察官の服務の宣誓
私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党且つ公平中正に警察職務の遂行に当ることを固く誓います。
出典:国家公安委員会規則第7号
消防士の服務の宣誓
私は、日本国憲法及び法律を尊重し、命令、条例、規則及び規定を忠実に遵守し、消防の目的及び任務を深く自覚し、その規約が消防職務に優先して従うことを要求する団体又は組織に加入せず、全体の奉仕者として誠実かつ公正に消防職務の遂行にあたることを固く誓います。
出典:消防規程第1号
違いが分かりますか?
自衛隊員の服務の宣誓は日本に有事(戦争)があったら命をかけます。
と言っているんです。
警察官と消防士の宣誓の違いはここにあります。
事に臨んでは危険を顧みず、
→ 事とは有事のことを指しています。つまり戦争です。
身をもつて責務の完遂に務め、
→ 自分の命をかけて任務達成に努めます
もつて国民の負託にこたえることを誓います。
→ 私の命をもって国民の期待に応えます。
ということですね。
この服務の宣誓は全自衛隊員がします。
私は空挺降下訓練に参加したり…
時速200km、上空340mからパラシュートを背負って生身で飛び出します。
特殊作戦群(日本の特殊部隊)に片足突っ込みそうになったり…
隊員の素性は明かされておらず、訓練内容も不明
明かされているのは群長の名前のみ
公の場では群長以外目出し帽を被り完全に秘密にされています。
自分ではよくわかりませんが素質があったらしく候補要員として目をつけられました。
群長と話す機会があってお話を聞きましたがマジぶっ飛んでます。
そうした中で本当にこの国のために、組織のために自分の命をかけられるかリアルに考えました。
元特殊作戦群長が書いた「戦う者たちへ」を読んで想いを馳せました。
はたしてリアルに「死」を考えている自衛隊員がどれだけいるのでしょうか。
特に陸上自衛隊は海上、航空自衛隊と違って敵と対峙することがありません。
海上なら中国の武装船や北朝鮮の船などリアルに敵を見ています。
航空なら中国機やロシア機などと対峙し、ロックオンまでされました。
しかし、陸上自衛隊は敵を見ることがありません。
演習に行っても空想上の敵と戦っています。
都合のいい敵を作り出しいつも任務達成
そんなことありえるだろうか。
自衛隊が強い弱いではなく、どこか戦争を他人事として見ているこの環境、世論も含めてとても危険だと思います。
私は服務の宣誓に応えることができないと判断し退職を決意しました。
上司に相談した時「考えすぎ」と言われた時はショックを受けたのを覚えています。
幹部自衛官だからと言って国のために死ぬことをリアルに考えている人は少数なのかもしれません。
自衛隊員がなんとも言えないモヤモヤした中で任務に邁進していることを知ってほしいです。
彼らなら必ず日本を救ってくれる!
街で自衛隊車両を見たら手を振ってあげてください!
みなシャイですが内心喜んでますよ!
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