どうも!かわいしのかわです。
私は幹部自衛官を退職し、スタートアップの民間会社に転職をしました。
幹部自衛官を辞める際、上司に言われました。
「なぜ安定を捨てるんだ?」
はたして安定とはなんでしょうか。
私にとって公務員(幹部自衛官)は安定しているとは言えませんでした。
幹部自衛官を続けていれば年収1000万は達成していたでしょう。
それでも私は上司の言う「安定」を捨てました。
この記事では、
・公務員(幹部自衛官)が安定している理由
・公務員(幹部自衛官)が安定していない理由
・私が考える本当の安定とは
を解説しています。
幹部自衛官が安定している理由
幹部自衛官が安定している理由として
・防衛省の所属
・年功序列、毎年昇給・ボーナス支給
・一定の階級までエスカレーターで昇進
・クビにならない
以上4点が上げられます。
防衛省の所属
幹部自衛官は特別職国家公務員として防衛省の所属になります。
どれだけ経済状況が悪くても潰れることはありません。
あるとすればボーナスの削減ぐらいですね…
年功序列、毎年昇給・ボーナス支給
公務員なので毎年必ず昇給します。
ボーナスも2回しっかり支給されます。
退職金もしっかりあります。
毎年昇給しボーナスもあり、退職金もあるということが安定している理由として上げられます。
一定の階級までエスカレーターで昇進
3等陸尉(少尉)
↓
2等陸尉(中尉)
↓
1等陸尉(大尉)
同期であれば同時期に1等陸尉まで昇進します。
どんなに実績がなくても
どんなに成績が悪くても
どんなに体力がなくても
昇進します。
1等陸尉まで昇進すると
数百人、何千人という部隊を動かすレベルです。
また、1等陸尉(大尉)から3等陸佐(少佐)への昇進は
試験の合否によって時期は変わりますが必ず昇進します。
ここまでくるとかなり偉いです。
年収も800万は超えてきます。
昇進は幹部自衛官の特権ですね。
クビにならない
公務員なのでクビになりません。
事件や事故があれば懲戒免職でクビになることはありますが
普通に勤務していればありません。
個人の能力によるクビ、リストラもありません。
幹部自衛官になった時点で定年まで雇用が補償されます。
幹部自衛官が安定していない理由
・民間企業で活躍できるスキルがない
・家族、友人、自分の時間がない
・精神的余裕が持ちにくい
・引っ越しが多く居住地が安定しない
民間企業で活躍できるスキルがない
私が一番感じていたことです。
幹部自衛官という身分がなくなった時、なにができるのだろう…
転職市場で自分の価値を調べたとき愕然としました。
資格もない。経験もない。
幹部自衛官という肩書きが無くなった瞬間
残るものはモールス信号が打てるぐらい…
自衛隊は他の公務員と比べて身に付く能力も特殊です。
自衛官は55歳で定年したあと民間企業へ再就職します。
多くは警備、ドライバー、工場など特別な能力を必要としないものです。
人生100年時代において、手に職がないことはリスクです。
幹部自衛官は地方自治体の危機管理官や
企業の顧問として再任用されることが多いです。
しかし、天下りではないかと指摘が入ったケースもあり
今後も同じように再任用できるか疑問が残ります。
家族、友人、自分の時間がない
演習や特別勤務で家に帰れないことが多いです。
特に階級が上がれば上がるほど勤務時間も伸びます。
仕事を第一優先に考えられる人でないと厳しいです。
また、災害派遣があれば家族を置いて出動しなければなりません。
有事の際も同様です。
平日は朝早く出勤し夜遅く帰る。
土日は演習で休日返上。
代休は20日以上溜まっていました。
先輩は倍の40日以上溜まっていて
一体なんの為に働いているんだろうと
考えることも多くなりましたね。
親友の結婚式に参加できなかったり
人生で悔いの残ることがたくさんありました。
精神的余裕が持ちにくい
幹部の仕事は責任を負うことです。
人事や保全、武器の点検など
その全てに幹部が関わり責任を負います。
私は3つの役職を兼任していました。
責任の範囲が膨大すぎて、もはや意味がわかりませんでした。
点検するにしても1人では到底無理な業務量です。
それに加えて、部下のメンタルケアや金銭指導などもします。
部下のミスや事件、事故は幹部の責任でもあります。
自分のメンタルケアをする暇がなく、
常にキャパオーバーの状態で仕事をしていました。
引っ越しが多く居住地が安定しない
幹部自衛官に転勤はつきものです。
30年間自衛隊で勤めるとすると
多い人で10回は引っ越しを経験します。
全国転勤なので命令が出たら絶対です。
拒否はできません。
役職の任期は2〜3年で交代し
その都度、引っ越しが伴います。
いろいろな地に住めるのは魅力的ですが
スパンが短く、お子さんがいる家庭だと
転校の必要がありとても大変
また、転勤先も希望は出せますが希望は希望です。
ほとんど希望通りには行かないです。
私が考える本当の安定
上司が言った
「なぜ安定を捨てるんだ?」と言った「安定」は
「お金」「社会的地位」です。
私は「お金」「社会的地位」以外にもたくさん安定があると思います。
転職した理由は「お金」「社会的地位」の安定よりも他の安定を求めたからです。
私が考える安定は次の通りです。
・お金
・精神
・夫婦仲
・居住地
・友人との時間
・自分の時間
・市場価値
・社会的地位
私は「お金」と「社会的地位」を捨て
そして、
「精神」「夫婦仲」「居住地」「友人との時間」「自分の時間」の安定を手に入れました。
「市場価値」の安定は自分次第です。
本当の安定とは自分が求めている安定を
いくつ手に入れられるかだと思います。
みなさんも自分が考える安定を列挙して
いくつ達成しているか確認すると面白いと思いますよ!
視覚的にわかると目標も定めやすいですからね!
ぜひ参考にしてください。