自衛隊に入ってさまざまな幹部教育を受けてきました。
幹部は頭を使うことが多く物事の考え方は大変勉強になりました。
また、厳しい訓練で培った我慢強さなどは民間でも役に立っています。
今回は民間でも役立つ自衛隊スキル4選をご紹介します!
歩くことに抵抗感がない
自衛官は普段の生活でも10kmぐらいなら普通に歩きます。
行進訓練のたまものですね。
訓練では最低30km、普通で50km、最高100km以上歩きます。
しかも、重装備を付けての行進なのでかなりキツいです。
なので自衛官は一般の方と感覚がズレています。
飲み会終わりなどで終電を逃すとタクシーは使わず歩いて帰ることが多いです。
30〜40分なら歩いて帰ります。
5kmだから早歩きで1時間ぐらいかーと時間的尺度も身に付きます。
民間の会社に転職してからこの話をするとビックリされます。
最近ようやく感覚がおかしいことを自覚しました。
慣れってスゴいです。
飲み会終わりに歩いて帰ろうとする人は自衛官か元自衛官の可能性が高いです。
脱落防止
自衛官ならお馴染みの「脱落防止」
脱落防止とは、ヒモやカラビナ等を用いて物を落とさないように処置すること。
自衛隊から転職して民間の会社に就職しましたが、現場に出ることも多く脱落防止の重要性を身に染みて感じましたね。
「物を落とさないようにする」という心構えは自衛官時代にこれでもかと叩き込まれましたから…
現場では車の鍵やカメラなどポケットから落ちそうなものは脱落防止しています。
何度救われたことか!
やはり自衛隊の教えは民間でも役に立ちますね!
自衛隊では物を落としたら見つかるまで探します。
Eリングという5mmほどの小さな部品でも脱落したらみんなで地を這いつくばって探します。
こんな小さなもの探して意味ある?時間の無駄じゃやないか?と思っていましたが
本質は「どうしたら落ちる物を落とさずにできるか考えろ」ということです。
幹部候補生時代は「本質」を捉えよと教えられました。
まぁ落ちるものは落ちるんですけど!笑
思考過程
思考過程はとても役に立ちます。
これは状況判断の思考過程といって方針を決定するために使う手法
ビジネスや普段の生活でも役に立つ超優れもの。
1、任務
2、状況および行動方針
3、我の行動方針の分析
4、我の行動方針の比較
5、結論
以上のプロセスを経て方針を決定します。
まずは任務を分析することから始めます。
私たち夫婦を例にとって休みの予定をどうするか?という仮説を立てて説明していきます。
任務
状況:夫婦2人暮らし、チワワ1匹
妻要望:どこか遠くに行っていろいろな体験がしたい。
そして夫は考えます。
任務:妻を楽しませる。
地位:夫
役割:旅行の予定を立て妻の要望に応える。
目的(達成すべき目標)
妻にリフレッシュしてもらい夫婦の団結を深める。
目標
これまで行ったことのない遠くの観光地へ行って日常とは異なる体験をする。
状況及び行動方針
地域の特性及び相手の状況
気象や地形など任務達成に影響するものを考察します。
また、相手の状況とは自衛隊では敵に関して考察しますがビジネスにおいては上司や取引先になります。
今回は旅行について思考を巡らせているので旅行先や値段などが候補に上がってきます。
日程:X日程、Y日程、Z日程
場所:行ったこのない場所は青森県、和歌山県、鹿児島県
気象:X日程 青森県 雪 和歌山県 くもり 鹿児島県 晴れ
Y日程 青森県 晴れ 和歌山県 雨 鹿児島県 晴れ
Z日程 青森県 晴れ 和歌山県 晴れ 鹿児島県 雨
観光地:青森なら温泉、和歌山なら寺社仏閣巡り、鹿児島なら登山
値段:青森5万円、和歌山7万、鹿児島12万
青森には友人がいるので経費は安くなる。
我の状況
チワワ:長時間のドライブはストレスなので控えたい。
青森6時間 和歌山4時間 鹿児島12時間
妻:温泉か寺社仏閣巡りがしたい。どちらかと言えば温泉がいい。
予算:10万円以内が限度
相手の可能行動の考察・列挙
任務達成に影響する相手の可能行動を全て考察し列挙します。
1、Y日程にすると仕事に影響を与える可能性がある。
2、悪天候は旅行を大きく制限する。
我の行動方針の分析
状況から目標を達成するための行動方針を導き出します。
できる限り具体的に明示します。
1、青森へ行き温泉に浸かる
2、和歌山へ行き寺社仏閣巡りをする
3、鹿児島へ行き登山をする
上記3つの案からさらに相手の可能行動を掛け合わせシミュレーションを行い有利な解答を絞っていきます。
仕事 | 天気 | 総合評価 | |
1 | X日程:◯ Y日程:△ Z日程:◯ | X日程:✖️ Y日程:◯ Z日程:◯ | X日程:✖️ Y日程:△ Z日程:◯ |
2 | X日程:◯ Y日程:△ Z日程:◯ | X日程:△ Y日程:✖️ Z日程:◯ | X日程:△ Y日程:✖️ Z日程:◯ |
3 | X日程:◯ Y日程:△ Z日程:◯ | X日程:◯ Y日程:◯ Z日程:✖️ | X日程:◯ Y日程:△ Z日程:✖️ |
行動方針の列挙
1、Z日程で青森へ行き温泉に浸かる。
2、Z日程で和歌山へ行き寺社仏閣巡りをする。
3、X日程で鹿児島へ行き登山をする。
我の行動方針の比較
行動方針を比較して最良の行動方針を選択します。
重み付けを行い今回は妻の要望を一番にして評価をしました
値段 | ★妻 | 移動時間 | 結論 | |
Z日程 青森 温泉 | ◯ | ◎ | △ | ◎ |
Z日程 和歌山 寺社仏閣 | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
X日程 鹿児島 登山 | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ |
結論:Z日程で青森県の温泉に浸かりリフレッシュする。
移動時間が比較的長いが休憩を多くしてチワワの負担にならないように留意する。
簡易的に一例を示してみましたが、けっこう面倒です。
しかし、思考過程がはっきりしてくると問題が起きてもすぐにフィードバックすることができます。
人生の指針を決定する際に活用すると効果的です。
ビジネスや普段の生活に取り入れることができたら思考もスッキリしてやるべきことが明確化しますよ!
幕僚の4原則
適時性
完全性
先行性
並行性
以上の4つが幕僚の4原則
一つでも欠けていたらダメ、一つが突出していてもダメ
完全性を求めすぎて適時性がなかったら意味を成しません。
適時性があっても完全性が失われていたら意味がない。
そして、先行的に物事を考え並行して業務をすることが適時性と完全性に必要となってくる。
バランスがとても重要なんですね。
幕僚(ばくりょう)とは、指揮官を補佐する高等武官又はそれに準ずる者をいう。参謀に近い意味で用いられることが多い
wikipediaより引用
幕僚は指揮官を補佐する人たちをいいます。
陸上自衛隊のトップである陸上幕僚長は防衛大臣を補佐する役目を担っています。
陸上自衛隊のトップになっても幕僚なので永久中間管理職ですね。。。
ちなみに陸上幕僚長の月給は約110万円
15万人のトップの月給にしては安すぎます。
自衛隊はやりがいを見出せればお金に変えられない仕事ができる場所です。
合う合わないがはっきりする職場だと思います。
指揮官は民間の会社で言い換えれば上司(社長、部長etc)になると思います。
それを支えるスタッフとして上司の仕事がしやすいように心構えとして幕僚の4原則を心に留めています。
まとめ
自衛官時代に培った教えは民間でも必ず役に立ちます。
一見、無意味に見えても意味があります。
自分なりに考えて本質を見る癖をつけておくと民間に転職してもいい結果が出せると思いますよ!
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